珍しく音楽以外の話をしよう。
"Today might gonna be a turning point in my life. It's up to myself if I can make it. Do my best not to make this tweet an April Fools' joke."
昨日の朝、そうツイートした。
そして、その日を迎えるようにこの本を読み終えていた。
明日の広告 - 変化した消費者とコミュニケーションする方法
素晴らしい本だった。勇気づけられた。
4〜5年前くらい前だろうか? "Web 2.0"という言葉が流行るか流行らないかぐらいから「Webでマーケティグをやりたい」言い続けてきた。「ウェブ進化論」や「グーグル」を読んで「これだ!」と熱くなった。
だけど「何故Webなんだ?」と問われると上手く説明できない。自分の中では「確信」でありながら、周りには一向に伝わらない。そりゃそうだ、周りは従来の媒体や方法論で何も困っていない人達ばかりだから。僕が熱くなってWebにはまり込み、理解すればするほど、周りの人達とは乖離していく。
もやもやとした、でも「確信」であるこの事を地道に訴え続けて昨日に至った。やっと、やっとだ。傍から見れば僕に起こった変化は小さな事だ。同じ組織内で席が10m水平移動したに過ぎない。誰もこれで何かが起こるとは思ってないだろう。
でも、僕は「それ」を起こさなければならない。全ては「これから」だ。
そんなタイミングで読み終えた「明日の広告」。この本のすばらしさは「ニュートラル」という点に尽きると思う。「これからはWebだ」と煽る多くの本(それも必要だけど)と違って、テレビ、新聞と言った従来メディアの効力を否定しない。大事なのは消費者を徹底的に分析し、一番伝わるメディアをニュートラルに考え、クロスメディアでコミュニケーションを設計すること。その上で「インターネットの出現で消費者は変わった」という話の原点から「何故Webか?」に対する答えはふんだんに織り込まれている。
僕が言いたかったのはこういう事なんだよね。もやもやがすっきり晴れた。まだ上手く説明できる自信はないが、僕の周りの多くの「Web?何で?」という人達の理解を得るための大きなヒントをもらった気がする。
絶妙な比喩と、具体的な実例、カジュアルな語り口で、気楽に読ませてくれる。広告、マーケティング関係の人はもちろん、個人で会社を経営してる人、自分を売り込みたい人、などなど、いろんな人が楽しめると思う。スラムダンクのキャンペーンの話なんかビジネス書の域を超えて感動的ですらある。
驚くべきは、この本が2007年に書かれ、2008年に出版されていたこと。まるで昨今のソーシャルメディア全盛を見通していたかのようだ。原点をしっかり押さえてシンプルに思考されているから普遍性があるんだろう。
2011年4月1日。この日が僕にとって「転機」なのか、「エイプリルフール」なのか?それは自分次第。後になって振り返ればわかるんだろう。そして、同じこの日、この本の著者、佐藤尚之(さとなお)さんは26年間勤めた電通から独立されたという。何という奇遇!と、名もなき僕が言うのも変ですけど(笑)、朝、冒頭のツィートを発した後、おなじくツイッターでこの事実を知って、何とも言えない気分になった。
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