「急ですが1ヶ月くらい入院することになりました。」
相方からそのメールをもらったのが7月23日。
それまでThe Double Bogey はいつものように2人で練習をしてました。ライブが決まってから始動が遅れるのはいつもの悪い癖で、にもかかわらず、ハードルの高い曲を選んだり、アレンジをあーでもない、こーでもないと試行錯誤したり、綱渡りのようなギリギリの追い込み。それもいつものこと。
入院、、、あと10日しかない、その時点で結論は出てました。出演辞退。関係者にメールしました。宣伝用のポスターにタイムテーブルも載ってるし、来てくれる予定の方もいらっしゃる。いろんな人にご迷惑をおかけするのが心苦しいけど、どうしようもない。
僕ら2人は本当に「代替がきかない」。上手い下手じゃなく、色々な元曲をデュオにアレンジする試行錯誤のプロセスを全て共有してる、そのことが "The Double Bogey" なのであって、「代役」という選択肢はないんです。
その夜は帰ってもギターに触る気がしませんでした。普段は怠惰でついついサボってしまう僕でも、さすがにライブ前1ヶ月を切ると切羽詰まって毎日少しずつでも弾こうとします。でも、それも必要ない。ある意味ほっとしました。
翌日、メールに返信で、同じベーシストが所属している他のバンドは、代役で出演すると。そして「ソロでやってみたら?」のアドバイス。
そうか、、、13〜14年?前、2回だけ、友人のライブの場つなぎでソロ演奏させてもらったことがあった。しかし、そんな昔のネタ思い出せるか?でも、迷ってる暇はない。その日のうちに結論出さないと、また皆に迷惑がかかる。「ソロで出演させてください」メールを打ちました。
あとはもう、必死。1曲は2人で準備していた曲の再アレンジ、残りは十数年前のネタ。歌詞、コード進行、ソロ。記憶の彼方から呼び起こし、弾ける、歌えるように、当日も朝6時から会場近くのスタジオで、最後の追い込み。
そして本番。結果、全ては会場のお客様に救っていただきました。途中で演奏が止まったり、リズムや音程を外したり、歌詞が飛んだり、あまたのトラブルもありながら、凹まずに演奏できたのは、皆様のお陰という他ありません。
もし、出演辞退してたら、気は楽になったかもしれないけど、浮かない気持ちでみんなの演奏をぼーっと聴いていたことでしょう。最後の10日間の「火事場の馬鹿力」は出なかったでしょう。そして会場の皆様のあたたかいリアクション。かけがえのないものをいただきました。ありがとうございました。
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