僕がジャズギターに興味を持ち始めたのは大学を卒業する前くらいだったか?教本を何冊か買ってみるも、ロック育ちの僕には難しくてさっぱり分からず、挫折。そして後に出会った布川俊樹さんの「ジャズギターマスターシリーズ」というビデオ、僕はこれでジャズのコードワークを理解して、覚えることができました。教え方が分かりやすいのはもちろん「ジャズは難しい音楽ではない」という布川さんの一貫したメッセージ、ユーモアのある親しみやすい語り口が、高く感じられたジャズへの敷居をとっぱらってくれました。3本目のビデオの締めでおっしゃってた「ジョンスコフィールドとキースリチャーズ、どっちがエラいか?そんなことはないんです!」は僕にとって正に名言でした。
ポップスやロックの名曲をジャジーにアレンジする、というThe Double Bogeyの演奏スタイル自体、布川さんにビデオを通じて教わった資産がなかったら成立しなかったと思います。
そんな布川さんのライブを初めて聴くことができました。ギター仲間のゾノくんから「布川さん来ますよ」と(感謝!)。これは行かねばと開演ギリギリに駆け込む。満員のお店でゾノくんが確保してくれていた席はカウンターの一番前(これまた感謝!)。最新アルバム「スタンダード・ジャズ・プロジェクト」のツアーということで、収録曲中心にスタンダードをたっぷり聴かせていただきました。
演奏の素晴らしさはいわずもがなで、教則やアルバムで慣れ親しんだ「布川節」でしたが、間近で聴いてみると更にすごい。一つ一つの音がとにかくきれいで、音の立ち方というか、存在感がハンパじゃない。ごまかしがない。タッチがいいっていうのはこういうことを言うんだなぁと実感。大胆にアレンジされた「枯葉」も圧巻。
今回布川さんの初スタンダード集ということですが、みんなこういうの聴きたかったんじゃないかなぁ。終演後、CDが飛ぶように売れてました。すこしお話もさせてもらいましたが、ビデオのイメージのまんまのとても気さくな方でした。
すばらしく楽しい13日の金曜日でした(笑)。
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